2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

夢と海の話

海から大きな波が押し寄せて、自分を飲み込んでしまう、という夢を時々見る。 その夢のなかでは必ず空は青く晴れていて、海の水も青く綺麗である。まるで夏の浜辺のポスターのような海。 自分は海の近くにいて、最初は高台から海を見ている。 でもなぜか自分…

散文詩「幸福な人生」

「幸福な人生」 黒歴史を作らず、厨二病と距離を取り、空気をきちんと読む。 身だしなみに気を遣い、適度にスポーツをたしなみ、明るい友人たちと他愛のない団欒を共にする。 季節ごとに服を買い、友人に同性異性を問わず、ときどきはアルバイトで小銭を稼ぐ…

小説「ヨーロッパ旅行の境界線」

チェコやドイツを地続きに移動していると、ヨーロッパの実現した移動の自由を肌で体感できる。電車内で優雅なコーヒーブレイクを楽しんでいる間に、国境をあっさりと通り過ぎている。 だがしかしだ。いくら移動の自由が実現したからって、次元までまたぐ必要…

小説「宇宙猫」

「宇宙猫」 宇宙からきたペットを飼う。父さんには反対されたが、おじいちゃんは許してくれた。裏の山でこっそり飼うことになった。 宇宙猫は大きくてやわらかい。月育ちだから発育がいいのだ。 でもこっそりつれてきたミーちゃんは三か月後に息を引き取った…

日本語には「出会い頭」にちょうどいいあいさつがない

なぜTV局ではすべての挨拶で「おはようございます」と言うのか疑問だったけれど、よく考えるとそうとしか言えないのがわかる。「こんにちは」も「こんばんわ」も牧歌的すぎて仕事の場面にふさわしくないのだ。感覚的な話になるが、「こんにちは」には丁寧語…

憧れの取り込み

中学生のころ,筋肉質な男の裸体絵を描くのにはまっていたことがあって,夢中で描いていたら授業中だったので先生に没収されたんです。 それはタイミングの悪いことに,悪ノリした友人が男性の一物を書き加えた後でした。 僕はあえてそこは避けていたのに。…